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サンバの発祥の地はブラジル北東部バイーア地方と言われている。ここは16世紀半ばから約400年間にわたって、西アフリカから多くの人々が奴隷として最初に連れてこられた地域で、現在でもアフリカ文化の影響を色濃く残している。「アフロ・ブラジリアンダンス」はサンバを含むアフリカの影響を受けて出来上がったダンス全般を総称して言う。リオで踊られているサンバとはひと味違った、よりアフリカ的な「原型サンバ」はもちろんのこと宗教儀式「カンドンブレ」で踊られる神々の踊り、ブラジル版ストリートダンスとも言えるサンバ・ヘギ(カーニバルで主流の踊り)、また近年ポピュラーになりつつあるアフロ・コンテンポラリーと呼ばれる(動き的には「アフロ・ジャズ」と呼んだ方が正しい)より高い芸術性を求められる創作的なダンスなど様々。しかし、どれにも共通していることはアフリカンドラムに合わせて(実際はドラマーとの掛け合いで)踊られる、ということだ。
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| *ここでちょっと+α/アフロ・ブラジリアンダンスと「ヨルバ」の関係について。 |
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他民族国家のブラジルはもともと原住民であるインディオの人々の土地であった。そこに16世紀に入ってポルトガル人が移住し、その後、奴隷として主に西アフリカから多くの人々が連れてこられたわけだが、彼等の多くがナイジェリアを中心に居住していたヨルバ族で、ヨルバ独自の言語、宗教、慣習や文化を持っていた。しかし支配者であるポルトガル人にすべてを禁じられていたので、公にはキリスト教徒を装っていた。彼等は自分達の住む地域に特別な小屋(テヘイロ)を造り、そこに定期的にこっそりと集まっては、カンドンブレという儀式を行っていた。儀式はヨルバ教の神々(オリシャー)を祀ったり讃えたりする音楽と踊りの祭儀であった。そのようにして数百年に渡ってこっそりと伝承してきた宗教と文化は、今でもアフリカ系ブラジル人達のこころの寄り所となっているのだ。いわゆるアフロ・ブラジリアンダンスはこうした歴史的背景のもとで築かれてきたもので、今となっては種類こそいろいろあるが、どれをとってもヨルバ教の神々(オリシャー)と儀式・カンドンブレとは切っても切れない関係にある。ところで神々は、それぞれが海、鉄、火、川、森等、自然のエレメントを持っている、つまり、カンドンブレの踊りと音楽とは神を祀ること=自然を敬うこと、なのである。儀式・カンドンブレに参加するわけではなく、この踊りを「踊り」として学ぶ私達にとって、その成り立ちや意味を深く理解することは、非常に重要だ。ただ単に動きをまねるだけのダンスではなく、一つ一つの動きに宿る意味を理解し、魂を感じながら踊ることで、より深みのある動きを実現することができるし、他者の心に訴える踊りになっていく・・・とはいえ、これがとても難しいことであることは、ご承知の通りである。 |
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| *余談(現代を生きる者にとって…) |
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ところで、病んだ都会生活にどっぷりと浸かっている私にとって、この踊りの心身への「効果」は実は見逃すことができない。やわらかく曲線的な動きとパワフルでリズミカルな動きの組み合わせは、運動不足解消とたるみ衰えつつあるカラダを、「しなやか」に鍛え、引き締めることに極めて有効である。そして何より生(なま)のドラム演奏に合わせて踊ることが「気持ちイイ!」し「楽しい!」。この理屈抜きの精神的効果は、現代を生きる私達には見逃せない。
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